妊娠のしくみ
女性生殖器
女性の生殖器は卵巣、卵管、子宮と外生殖器からなります。
卵巣
卵巣の中の様子
妊娠のしくみ
妊娠は様々な条件が揃って成立します。妊娠までの過程を見てみましょう。
1.排卵
成熟卵胞の中の卵子は、28日周期の月経では14日頃に腹腔に排卵されます。排卵した卵子はすぐに卵管采に取り込まれて、卵管の中を移動します。
排卵については、基礎体温、超音波検査、血液検査(ホルモン検査)で調べることができます。
2.受精
精子と卵子が卵管膨大部で出会って受精します。
卵管の状態は、子宮卵管造影検査やクラミジア検査で調べることができます。
精子の状態は精液検査、精巣検査、フーナーテストで調べることができます。
3.卵割
受精卵は、2分割、4分割、8分割、桑実胚、胚盤胞というように、胚分割しながら卵管内を移動します。約5~7日で胚盤胞となります。
4.着床
胚盤胞となった受精卵は、子宮体部の内膜に着床します。着床が妊娠の始まりです。
子宮の状態は、超音波検査で調べることができます。
基礎体温
基礎体温は、28日周期の月経であれば、月経から排卵までの14日間の低温期と排卵から次の月経までの14日間の高温期の2相を示します。
朝目覚めて横になった状態のままで測ります。基礎体温だけで正確な排卵日は分かりませんが、排卵の有無や女性ホルモンの状態を知るのに役立ちます。
ポイント→自分でタイミングを取る場合に必要です。
正確な排卵日を知るには、医師に相談しましょう。
超音波検査
お腹の上から検査する場合と、膣から検査する場合があります。モニター上の画像によって、子宮や卵巣の中の様子がわかります。
子宮は、筋腫の有無や子宮内膜の状態などがわかります。卵巣は、卵巣嚢腫の有無や排卵の時期などが分かります。
ポイント→不妊治療を始める前に行われる検査です。
血液検査
採血によって、妊娠に必要なホルモンの状態がわかります。
黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、エストラジオール、プロゲステロン、プロラクチンなどを調べることができます。
ポイント→排卵日を知る上で重要です
子宮卵管造影検査
膣から造影剤を入れてX線や超音波で調べます。卵管が詰まっていないか、癒着していないか、子宮の形状はどうか、などが分かります。
検査によって卵管が通り、妊娠しやすくなることもある様です。
ポイント→卵管につまりがあると受精しにくいため、妊娠の可能性が低くなります。
クラミジア検査
採血や内診で調べます。現在または過去に、クラミジアに感染していないかどうか調べます。
ポイント→クラミジアの感染によって、卵管が詰まる原因になります。
精液検査
精液に含まれる精子の数や、運動率を調べます。
ポイント→男性不妊の原因となります。
精巣検査
精子に異常があった場合に、精巣の状態を調べます。
フーナーテスト
性交後に子宮頸管の粘液を採取して、運動性の良い精子が進入しているかどうかを調べます。
ポイント→進入していても、運動性が低いと妊娠の可能性が低くなります。