不妊症の鍼灸施術
※施術効果には、個人差があります
病院、クリニックで行う不妊治療は、近年、高度医学として盛んに行われるようになりましたが、東洋医学では不妊は、「不孕(ふよう)」という言葉で表わされ、数千年も前から鍼灸でアプローチされてきたという長い歴史があります。
東洋医学では、現代のように血液検査や超音波検査などが無い時代から、体に現れる体内の状態を、「詳細なヒアリング」、「脈をみる」、「舌をみる」、「お腹を触わる」ことを他覚的な症状として捉えて施術をしてきました。
当院で行う鍼灸による不妊治療でも、一見不妊とは関係なさそうなお体の状態(例:食事、睡眠、運動習慣、入浴、排便、排尿、ストレスなど)を詳細に伺い、自覚症状を把握したうえで「脈をみる」「舌を見る」「お腹を触る」ことで、他覚的な症状を把握して、お客様に最も効果的な施術を行っています。
元気な心身を取り戻すことから
現代はストレス過多の時代と言われるように、私たちの心身は常に外部からのストレスにさらされています。
その結果、体が冷える、肩がこる、腰が痛い、眠りが浅い、むくみが気になる・・・など様々な身体の不調や、イライラ、不安、やる気がない・・・などの心の不調が現れることになります。
さらにホルモンのバランスが崩れ、妊娠しにくい体になっている事があります。
当院の不妊治療では、このような心身の不調をとり、元気な心身を取り戻すことから始めるために、効果が現れやすくなっています。
西洋医学とは、全く違った視点からアプローチすることが、東洋医学による鍼灸の不妊治療です。
不妊症の方にみられやすい主な証
東洋医学では人間の内臓を「五臓:肝・心・脾・肺・腎」で表現し、五臓が互いに 助け合い、調和し合っている状態を健康な状態であると考えます。
当院の不妊治療では鍼灸施術で、このバランスを整えることから始めます。
「証」というのは、東洋医学的な診断名のことで、不妊症の方は下記で表わすような「症」の方が多くみられます。
また「症」によって、不妊症以外にも特徴的な症状がみられることがあります。
腎虚 じんきょ
腎:両親から引き継いだ、元々持っている身体の力、生命力、水分の代謝、歯や髪の毛に関係する。
腎虚:腎の力が低下している状態。
不妊症以外にみられる症状
- 元気がない
- トイレが近い
- 足腰に力が入りにくい
- 耳鳴りや聴力の低下が見られる
- 歯が弱い
- 髪の毛が抜けやすい、つやが無い
- むくみやすい
- 舌の色が薄い
- 脈が弱い
- 下腹部に力が無い
脾陽虚 ひようきょ
脾:食物から得られる栄養を全身に隈なく配分する。消化吸収、味覚に関わる。臓器を良い位置に固定する働きに関係する。
脾陽虚:脾の働きが低下して冷えもある状態。
不妊症以外にみられる症状
- 冷えが強い
- 下痢しやすい
- 胃腸が弱い
- 食欲不振
- 膨満感
- 胃下垂や味覚障害
- 舌の表面が荒れている
- 脈が弱い
- 胃のあたりが硬い
肝気鬱血 かんきうっけつ
肝:気を体中に巡らせて、血を臓器に配分する。精神を落ち着かせる。目や筋、爪、精神状態を良い状態に保つことに関係する。
肝気鬱血:肝の働きが強くなりすぎて、気持ちに影響を与える。
不妊症以外にみられる症状
- イライラしやすい
- 不眠
- 月経異常がみられる
- 目が乾く、目が疲れやすい
- 肩こりや腰痛がある
- 爪の色が悪い、爪が割れやすい
- 舌の色が赤い
- 脈が強い
- 肌がカサカサしている
瘀血 おけつ
瘀血:血の滞った状態
不妊症以外にみられる症状
- あざができやすい
- 刺すような痛みがある
- 不正出血がある
- 月経時に血の塊が出る
- 喉に違和感がある
- 息苦しさがある
- 舌の色が赤黒い
- 脈が強い
- 下腹部が硬い
鍼灸による不妊治療の流れ
※施術効果には、個人差があります
例えば、脾陽虚と判断した場合、脾陽虚の自覚症状や他覚症状が改善していくかどうかをみながら、施術していきます。これらの症状が改善していくことで、妊娠しやすい体作りにつながっていきます。
不妊症の原因となる「症」は、長い年月をかけて、日常生活の習慣が作りあげたものと考えられます。
また、夏でも冷房で冷える、仕事中はパソコンに向かっている、体を動かす時間がない、人間関係のストレスがある、食事の時間が遅い・・・など、現代では社会の中に不調の原因がたくさんあるのが現実です。
このような環境の中、不妊症の他に「肩こり、腰痛、冷え症、頭痛、下痢、便秘、むくみ、不眠」など、以前は無かった症状が、いつの間にか増えていることに、あなた自身も気が付いているはずです。
普段あなたが感じている自覚症状をなくし、心身のバランスを整えることで、妊娠しやすい体にしていくことが、当院で行う鍼灸での不妊治療の特徴です。