湘南ビーチFMマガジン45号<春には”太衝”がおすすめ>
二十四節季では、3月6日は啓蟄(けいちつ)です。冬籠りしていた虫が温かくなってきたことを感じとり、地上に現れるという意味です。虫に限らず、他の生き物や花の目が出る頃でもあります。春の訪れを感じる季節ですが、3月21日の春分までは寒暖の差がある日が続きそうですね。こんな時は体調を崩しやすいので気を付けましょう。
ツボって何でしょう?
東洋医学では、「気血水(きけつすい)」の流れが悪いと心身の不調が現れると考えます。「気」は体を動かす原動力、「血」は血液の様に体に栄養を運ぶもの、「水」は血液以外の水分を表し、「気血水」の流れが良いと、健康な状態であるといえます。
「気血水」が流れる道を経絡(けいらく)といい、経絡上にある点を経穴(けいけつ)といいます。ツボとはこの経穴の事で、心身の状態が現れる場所です。
ツボの刺激で養生
ツボの位置は、約400あります。鍼や灸で刺激する方法の他に、自分の指で押さえる方法もあります。
ツボの位置を探すのが難しいと考えがちですが、窪んでいる所、軽く押して気持ちが良い所もツボの一つです。
お灸が使えない時や、お灸に抵抗がある人でも、自分の指でできるツボ押しなら、簡単にできる養生の方法ではないでしょうか。
春のセルフケア:キーワードは目の養生
東洋医学の五行思想では、春は「木(もく)」の性質を持つと考えます。木(もく)の性質とは、まさしく木のように上に伸びていく性質です。したがって、気が上に上がりやすい季節です。
人の体では上と言えば頭や顔です。なので、春は気が上に上がりすぎて、頭痛や目の症状、鼻の症状、イライラしやすいなどの症状が起きやすいと考えられます。
また、3月は花粉の飛散量のピークと言われていますが、さらに紫外線の量が増える季節でもあり、「目」に関する症状が現れやすい季節です。普段から、眼精疲労やドライアイ、目のかすみがある方は、特に注意が必要です。
ドライアイ対策には、スマホなど使用中に、意識してまばたきを増やすこと、眼精疲労対策には、使用後に目を閉じて、温かいタオルで温めることが、症状の緩和に役立ちます。
目の疲れには”太衝”がおすすめ
太衝(たいしょう)というツボは、目からは遠い、足の甲にあるツボです。親指と人差し指の骨を足首の方向にたどると、骨がV形に交わるところがあります。太衝は、そのV字形の谷間にあるツボです。
もちろんお灸にも適しています。
また、太衝は次の様な症状のある方にも適したツボです
- 頭痛
- イライラしやすい
- 肩こり
- 慢性腰痛
- 生理痛
ツボ押し養生のポイント
- 強く押しすぎない
- 指の「はら」で押さえる
- 1か所を5秒くらい押す。それを2~3回繰り返す
飲食飲酒前後、入浴前後は避けて、ゆっくりと時間が取れる時がお勧めです
一日一回のツボ押しで、目の養生をしましょう